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ジェイムズ・バロー・ランシングという人  [MUSIC]

ジェイムズ・バロー・ランシングという名前を聞いて スピーカーメーカーの JBL が頭に浮かぶ人は かなりのオーディオマニアだといえる。 
名曲喫茶店やジャズ喫茶に足繁く通った者ならば だいたいオーディオに関心を持っている。
いい音で聴きたいがために 私も吉祥寺の 『Funky』 に良く通った。
場所を移る前の Funky は1階が JBL のユニットを 3-WAY で組んで壁にビルトインしていた。 地下にはあの 『Paragon』 が置かれていて 1階と同じソースで鳴っていた。 2階はボーカル専用で ここには アルテックの 『A7』 が置かれていたと記憶している。 ちなみに Funky に置いてあった Paragon は 今は 食事処 MARU (以前  ジャズ喫茶OUTBACK だった場所)で鳴っている。  (Paragon の優美な姿を見たい人は ここ をクリックしてください)

JBL を創ったジェイムズ・バロー・ランシングという人はどんな人だったのだろうかと思い 佐京純子著 『ジェイムズ・B・ランシング物語』 を読んでみた。 

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しかし私の期待と異なり この本で ジェイムズ・B・ランシングその人に関する記述は全体の三分の一ほどで それ以降は スピーカーメーカーJBLの発展に当てられている。 表紙を良く見れば 副題として 『音を極めた驚異のスピーカーJBLの軌跡とある』 が 正しくは 『スピーカーメーカ 企業JBLの軌跡』 とすべき内容だった。
しかし この本の本当のキモは 『第四章 音と人間』 にあり それまでのJBLの話は 単なる前フリに過ぎない。 筆者の本当に言いたいことは他にあるようだ。
どうでも良いことであるが この本のタイトルは 何とすればいいのか? 
『音と人間』 副題として 『スピーカーメーカーJBLの歴史に見る 良い音の追求』 としたらどうだろうか。 (売れそうもないなあ)

まあ 本のタイトルはさておき 第四章に書かれている アルフレッド・トーマス博士に関しては 新しく知ることが多かった。 良い音が脳に与える刺激には多大なものがあり 脳内活動のある種の引きがねになっていることは 容易に想像できる。 
ただ その良い音を モーツアルトの作品のみに限定するのは あまりに恣意的で納得出来ない。 確かにモーツアルトの音楽の癒し効果が大きいことは 多くの所で認められているし、私もモーツアルトの音楽は好きで よく聴くのであるが 音楽はこれだけではないであろう。
この 『モーツアルト効果』 については 茂木健一郎氏もその著書 『すべては 音楽から生まれる』 の中で 軽く触れていた。

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茂木氏は

 好きな音楽を聴くと快いというのは、考えてみればごく自然なことだが、ここで注目したいのは、主体の能動性ということである。  (中略) 
 つまり「モーツアルト効果」の本質は、モーツアルトの音楽そのものにあるのではなく、それを受け取り、喜びとする<私>の中にあるということだ。 

と この本の中で言っている。
私は やはり 茂木氏の言うことの方に納得してしまうのだが、どうだろうか。

また茂木氏は本の副題を 『脳とシューベルト』 とし 前書きの部分で

 (略) シューベルトの名曲のように、音楽の本質を考える作業は常に「未完成」に終わる運命にある。 たとえ完結しなくても、少しでも美しい響きに近づいてくれれば良い。 そう思って日々を過ごせば、人生はしみじみとした喜びに満ちてくる。 出会った音楽に感謝したくなる。

と書き 本を始めている。

『JBL物語』 を読んで いい音楽をいい音で聴くことの重要性、 そのことに対して 未完に終わったジェイムズ・バロー・ランシング氏の業績とそれを継承し発展させてきたJBLピープルの素晴らしさについては 知ることが出来て良かったと思っている。

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パトラ

難しくて、理解不能ですが、モーツアルトのファンです。
by パトラ (2008-08-19 23:43) 

kurakichi

パトラさん

コメントありがとうございます。
私が初めて聴いたモーツアルトの曲は 『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』 でした。
パトラさんは?
by kurakichi (2008-08-19 23:56) 

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