江戸東京たてもの園 ３

たてもの園の西ゾーンは主に住宅を移築してありますが　その中で
　


『常盤台写真場』　は　名前が示す通り　東武東上線の常盤台一丁目にあった写真館です。
この建物は1937年の建築で　どことなく外観が東京都庭園美術館（旧朝香宮邸）に似ています。
旧朝香宮邸は1933年の建築で日本におけるアールデコ様式の代表といわれています。
アールデコはどちらかというと　装飾様式の意味合いが強く　建築様式として「これぞアールデコ」　というものは無く（強いてあげれば　エンパイヤーステートビルか）　建築面では少し先行していたバウハウス様式が色濃く入っています。

この建物は建物正面上部に　『TOKIWADAI PHOTO STUDIO』　のサインがあり　
　


同様に壁面に　『BAUHAUSU』　のサインのあるデッサウ校を思いだしました。
北面の明り取りのための大きな窓の直線はまさにバウハウス的で　これぞ日本のバウハウス建築と呼んでよいものと思います。

驚いたことに　建物の西北角の塔のように少し高くなっている部分にエレベータがありました。　もちろん今は新しい機械に取り替えられていましたが　この当時に　この大きさの建物にエレベータが設置されていたことは驚きです。

二階が写真スタジオになっています。　



今の写真スタジオは窓が無いのが当たり前なのですが　柔らかな光が満ちたこのスタジオには心安らぐものがあります。
申し込みが必要ですが　お願いすると　ここでレトロ風に写真を捕ってもらうこともできるそうです。

一階は居住スペースになっています。
　


板の間の台所と食堂



子供部屋。　４人の子供たちが並んで勉強していたようです。
当時としては　ずいぶんモダンなつくりになっています。
室内の造作や椅子などは直線的なデザインで　
　


これもバウハウス的な印象です。
しかし
　


日本の伝統を受け継ぐ和室もうまく取り入れられています。

この昭和１４年（1939年）の　『常盤台住宅地案内図』　
　


に　示されている場所は　今はマンションになっていますが　同じ場所に　今も　『TOKIWADAI PHOTO STUDIO』　があります。
以前　この常盤台には何回か訪れたことがあり　このスタジオは記憶に残っていました。
そしてここで　
　


小林一三の登場です。
関西の人ならばご存知の人も多いと思いますが、あの宝塚を作った人です。

つごうで　続きは明日に

タグ：バウハウス 建物 小金井公園

コメント 8

自分は自然光の写真が好きなので
こういった所で撮ってみたいものです☆
by お茶屋 (2009-03-02 10:41) 

今見ても斬新でモダンな感じがする建物、内観☆
いいですね～
何年たっても古さを感じない、そんな家にいつか住みたいです♪
by m-grace (2009-03-02 10:59) 

お茶屋　さん

北からの　すりガラスを通って入ってくる光は　柔らかで目に優しいです。
時計などの精密機械の組み立ては　昔は北向きの部屋で行われていたし、今でも真珠の選別は北向きの部屋で行っているようです。
by kurakichi (2009-03-02 11:08) 

Grace　さん

この家　本当に　素敵でした。
by kurakichi (2009-03-02 11:10) 

懐かしい、カメラですね。
広い家ですね！住んでみたいです。
by 華蓮 (2009-03-02 22:54) 

華蓮　さん

私も　こんな家に住んでみたいです。
by kurakichi (2009-03-02 23:00) 

綺麗に保存されていますね。
by yam (2011-11-16 23:37) 

yam　さん

nice！＆コメントありがとうございます。

by kurakichi (2011-11-17 01:07)