ベンガルの虎を観る [サブカルチャー]
花園神社の境内の特設テントに入り
座席に着きました。
私の席は椅子席で といってもコンパネで作られた雛壇にお尻がすっぽり入るように少し丸くなっている座椅子が置かれたもので はたしてこれで3時間も座っていられるのだろうかと少し心配になりました。
昨日書いたように 私には演劇との良い出会いがありませんでした。
ちょうど大学生のとき 今は有名になってしまいましたが まだ青年座の研究生だった竹中直人氏(我々はタケチューと呼んでいましたが、、)が出る研究生の発表会を何度か観に行きました。
参宮橋だったか代々木八幡にあった稽古場で やはり雛壇の座席でビニールに入れた靴を抱きながら 小難しい芝居を見たという記憶しか残っていないのです。
その後もいくつかは小劇場風の演劇を見てはいるのですが楽しかった記憶はほとんどありません。
突如 口上が始まり
芝居が始まりました。
芝居は3部構成で1部約1時間 全3時間の大作です。
物語はビルマの竪琴のエピソードをモチーフに展開してゆくのですが 印象は変奏曲を聞いてるようでした。
おぼろげな背景が明確になるのかと思えば まったく違った関係性に置き換わっていたり 俳優も一人一人がいくつかの役柄を演じたりしていて 時間的にも空間的にもつじつまを合わせようとすること自体が無意味になります。
それよりは 舞台全体から伝えられるイメージの変化やその炸裂を楽しむことがこの演劇の本当の楽しみ方だと思います。
また 蛇女やろくろっ首が出てくる見世物小屋のように人を驚かせることも重要で そのためにこのテントにはさまざまな仕掛けが施されていました。
会場中央に設けられたスロープ状の花道は観客席をも舞台に取り込む効果を生み出します。
また第2部の競輪場のシーンでは スポットライトで自転車の影絵を壁面に映し出すだけでなく 舞台奥と客席の両サイドのテントを開け放ち テントの周りを競輪自転車が実際に走ること見せて 臨場感を高め不思議な気分にさせます。
他にもいろいろ仕掛けはあるのですが なんといっても 第3部のラストの仕掛けには度肝を抜かれました。
舞台中央の実際に水が張られたプールに役者が次々と飛び込み 最期に飛び込んだ主人公の水嶋カンナが舞台奥のテントが開け放たれるとパワーショベルのショベルに乗り回転しながら去ってゆく。
まあ その演出には驚かされました。
しかし考えても見れば これは昔毎週楽しみに見ていた ドリフの全員習合 のあの大仕掛けにも通じているようでもあります。
もっと遡れば 例えば義経千本桜も話としては荒唐無稽なものであって また早変わりやどんでん返しなどの仕掛けで観客を楽しませることを考えると 歌舞伎の舞台にも通じているようにも思えます。
アングラテント芝居は日本の伝統演劇の継承者なのかもしれません。
話は変わりますが上の写真2枚で左に写っている黒い帽子の人 どうも唐十郎さんだったようです。
座席に着きました。
私の席は椅子席で といってもコンパネで作られた雛壇にお尻がすっぽり入るように少し丸くなっている座椅子が置かれたもので はたしてこれで3時間も座っていられるのだろうかと少し心配になりました。
昨日書いたように 私には演劇との良い出会いがありませんでした。
ちょうど大学生のとき 今は有名になってしまいましたが まだ青年座の研究生だった竹中直人氏(我々はタケチューと呼んでいましたが、、)が出る研究生の発表会を何度か観に行きました。
参宮橋だったか代々木八幡にあった稽古場で やはり雛壇の座席でビニールに入れた靴を抱きながら 小難しい芝居を見たという記憶しか残っていないのです。
その後もいくつかは小劇場風の演劇を見てはいるのですが楽しかった記憶はほとんどありません。
突如 口上が始まり
芝居が始まりました。
芝居は3部構成で1部約1時間 全3時間の大作です。
物語はビルマの竪琴のエピソードをモチーフに展開してゆくのですが 印象は変奏曲を聞いてるようでした。
おぼろげな背景が明確になるのかと思えば まったく違った関係性に置き換わっていたり 俳優も一人一人がいくつかの役柄を演じたりしていて 時間的にも空間的にもつじつまを合わせようとすること自体が無意味になります。
それよりは 舞台全体から伝えられるイメージの変化やその炸裂を楽しむことがこの演劇の本当の楽しみ方だと思います。
また 蛇女やろくろっ首が出てくる見世物小屋のように人を驚かせることも重要で そのためにこのテントにはさまざまな仕掛けが施されていました。
会場中央に設けられたスロープ状の花道は観客席をも舞台に取り込む効果を生み出します。
また第2部の競輪場のシーンでは スポットライトで自転車の影絵を壁面に映し出すだけでなく 舞台奥と客席の両サイドのテントを開け放ち テントの周りを競輪自転車が実際に走ること見せて 臨場感を高め不思議な気分にさせます。
他にもいろいろ仕掛けはあるのですが なんといっても 第3部のラストの仕掛けには度肝を抜かれました。
舞台中央の実際に水が張られたプールに役者が次々と飛び込み 最期に飛び込んだ主人公の水嶋カンナが舞台奥のテントが開け放たれるとパワーショベルのショベルに乗り回転しながら去ってゆく。
まあ その演出には驚かされました。
しかし考えても見れば これは昔毎週楽しみに見ていた ドリフの全員習合 のあの大仕掛けにも通じているようでもあります。
もっと遡れば 例えば義経千本桜も話としては荒唐無稽なものであって また早変わりやどんでん返しなどの仕掛けで観客を楽しませることを考えると 歌舞伎の舞台にも通じているようにも思えます。
アングラテント芝居は日本の伝統演劇の継承者なのかもしれません。
話は変わりますが上の写真2枚で左に写っている黒い帽子の人 どうも唐十郎さんだったようです。
面白いお芝居だったようですね^^
ドリフの「8時だよ 全員集合」は、毎週、家族で見ていました♪
by hirochiki (2010-06-25 05:18)
hirochiki さん
3時間があっという間に過ぎてしまいました。
テンポ そして手作り感が良かったですね。
by kurakichi (2010-06-25 06:36)
おはようございます。
「8時だよ全員集合」は家族でよく見ましたね。
懐かしいです。
by hayama55 (2010-06-25 07:36)
hayama55 さん
毎週あれだけの仕掛けをそれも毎回違う場所の舞台で作っていたなんて驚きです。
by kurakichi (2010-06-25 08:18)
かつて唐さんがご自身の劇団でご自身で演出された「ベンガルの虎」と
今回の金さんの演出を観比べてみたいでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-06-25 11:14)
私もあまり良い出会いがなかったように思います。
思わず腕時計を見てしまうお芝居は、時間が過ぎるのが長いですが、今回、よろしかったですね、
by よいこ (2010-06-25 14:18)
ぼんぼちぼちぼち さん
確かに見比べてみたいと思いますね。
今回演出の金さん 10月に寺山作品を演るようです。
こちらもちょっと興味をそそられます。
by kurakichi (2010-06-25 16:04)
よいこ さん
腕時計をしていることをすっかり忘れてしまいました。
by kurakichi (2010-06-25 16:05)
そっか!ドリフか~!アハハ
by pumipon (2010-06-25 16:55)
pumipon さん
そうなんです 舞台を見ていてあのドリフを思い出してしまいました。
by kurakichi (2010-06-25 17:15)
今晩は。
坐して見る。芝居の原点ですね。
by 夏炉冬扇 (2010-06-25 20:49)
子供のとき、小学校に巡回してきた劇から
私は、劇そのものに何かわくわくするような期待感を感じます。
とくに、舞台装置が好きですね。
ライトで夜明けや夕暮れを現したり、
一転して舞台が変わったり、
現実を写した映像とは違った、虚構の世界に惹かれます。
by 空兵 (2010-06-25 21:59)
ドリフに千本桜への展開、お見事です。
by ulyssenardin36000 (2010-06-25 23:05)
夏炉冬扇 さん
この舞台の花道の両側は桟敷席になっていて まさに座してみる舞台でした。
by kurakichi (2010-06-26 06:02)
空兵 さん
今回の芝居を観て舞台装置はリアリティーを追求すると言うよりもイメージをかき立てるものの方が良いような気がしました。
by kurakichi (2010-06-26 06:16)
ulyssenardin36000 さん
お笑いも歌舞伎もアングラ演劇も舞台と言う装置を使う以上共通する何かがあると思いますし 日本という一つの時間軸で考えれば意識するかしないかにかかわらず影響を与え合うものだと思います。
確か中村平成座のニューヨーク公演でもエンディングで舞台の奥の幕を取払ってニューヨークの景色を見せるといった演出がなされたようです。
by kurakichi (2010-06-26 06:32)