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隋宜園の歴史Ⅰ  [公園]

隋宜園とは三菱合資会社営業部長の江口定條(えぐちさだえ)が大正2年(1913年)に
国分寺に作った別荘の名前で その別荘は今の
 
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殿ヶ谷戸庭園のことなのです。
ちょうど昨日で終わってしまったのですが 殿ヶ谷戸庭園の展示室で
 
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殿ヶ谷戸庭園のあゆみ展が行われていました。

展示は
 
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主にパネル展示でしたが 貴重な昔の写真もあって地元の者にとってはとても面白いものでした。

江口定條が作った別荘は 
 
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今ある建物とは違っていました。
今も当時と基本的には大きく変わっていないと思われるハケの湧水を利用した池のある庭は 赤坂の庭師仙石荘太郎に作らせています。
仙石荘太郎は八方園や高橋是清邸の庭園も手がけていると解説にありました。
高橋是清邸自体は現在小金井公園にある江戸東京たてもの園に
 
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移築されていますが 庭園は高橋是清翁記念公園として港区赤坂七丁目3番39号に残っているようです。

さて江口定條はこの別荘を隋宜園と名付けたのですが 
 
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隋冝園と書かれた扁額が今も残っています。
これを書いたのは日本に留学経験のある湯化龍という中国の政治家ですが 江口との関係については詳しくは分かっていません。
写真を見るとこの扁額は
 
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当時は和室に掲げられていました。

その後この別邸は昭和4年(1929年)に三菱の創始者岩崎弥太郎の孫の
 
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岩崎彦弥太が別荘を江口より譲り受け 
昭和9年(1934年)に本館を
 
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建て替え またこの時に茶室の紅葉亭も作っています。
なお現在の本館は東京都が土地を買い上げ公園としたとき 建ぺい率の制限で当時の1/3の規模になっています。

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aoken

殿ヶ谷戸庭園の本館て小さいなぁと思っていたのですが、元は三倍もあったんですね。
by aoken (2011-11-01 07:12) 

kurakichi

aoken さん

別荘とは言え三菱の岩崎さんのものですから 今の三倍の規模でもおかしくないですね。

by kurakichi (2011-11-01 09:09) 

yokatelier

東京たてもの園は行ったことがあります!
by yokatelier (2011-11-01 10:25) 

ミッチ

へぇ、お役人もきっちり建蔽率守ったもんですねぇ。でも何パーセントなんだろ、あんな広いのに?

by ミッチ (2011-11-01 11:05) 

お水番

あらあ、殿ヶ谷戸庭園のあゆみ展をやっていたのですね。見逃してしまいました。貴重な写真のアップ、ありがとうございます。
by お水番 (2011-11-01 12:26) 

urara☆

ちゃんと残して、当時の情景が一つになると思いますのに、
お役人は簡単に三分の一にしてしまったんですね(-_-;)!
by urara☆ (2011-11-01 13:29) 

ナツパパ

高低差を利用して、奥行きのある庭になっていますよね。
この造りは素晴らしいなあ、と思いました。
by ナツパパ (2011-11-01 15:16) 

kurakichi

yokatelier さん

最近新しい建物が移築されたようです。
また行って見なければ、、、

by kurakichi (2011-11-02 01:11) 

kurakichi

ミッチ さん

私も展示されていたパネルに書かれていたことに従って記事を書いたので詳しいことはわからないのですよ。
公園は木々や広場やって方が重要なので建ぺい率はかなり低いかもしれませんね。

by kurakichi (2011-11-02 01:14) 

kurakichi

お水番 さん

殿ヶ谷戸庭園を知ることができ とてもよかったです。

by kurakichi (2011-11-02 01:20) 

kurakichi

urara☆ さん

まあ世の中いろいろお約束がありますから、、、
1/3でも残してくれたことに感謝です。

by kurakichi (2011-11-02 01:28) 

kurakichi

ナツパパ さん

斜面をうまく利用して庭を造っていますね。
私としては作為が少ない滄浪泉園の方が好きですが、、、

by kurakichi (2011-11-02 01:31) 

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