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隋宜園の歴史Ⅱ  [公園]

隋宜園は岩崎彦弥太の手に渡ってからは 展示されている年表には建物の手直しが昭和13年(1935年)に行われたことぐらいしか書かれていません。
この写真がいつ撮られたかはわからないのですが 
 
111102_001.jpg

右に見える木々が別荘の森で 左側の窪地は田圃になっています。
岩崎彦弥太は田園生活を楽しむため 別荘の敷地以外にも国分寺駅南口のかなり広い地域を所有していて田圃や畑にしていたそうです。
展示されていた年表の1938年(昭和13年)の説明では 
 
当時、国分寺駅南口一帯は、すべて岩崎家の所有。竹ヤブから国分寺街道までが岩崎家の水田。国立街道あたりまでは畑(西国分寺駅辺り)。

と書かれていました。
昭和30年ごろの地図でも
 
111102_002.jpg

岩崎家の田圃が残っていることがわかりますが 畑は西国分寺駅までではあまりにも広すぎて 
私の想像では上の地図の 国分寺駅南口開設敷地、花沢 と書かれている辺りまでではなかったかと思います。

上記の年表では1938年(昭和13年)の記述の次は一挙に1962年(昭和37年)に飛んで
その内容は
 
都市計画公園の指定を受ける。日立中央研究所や鉄道学園グランドなどと共に岩崎家個人所有のまま受けた。

と書かれています。

岩崎彦弥太は三菱財閥を率いてゆく使命があり 周囲もそれを望んでいたのですが、敗戦でGHQによって財閥が解体されそれもかなわず 岩崎家も衰退したのは言うまでもありません。
とはいえ
 
111102_004.jpg

暖炉のある洋間には
 
111102_005.jpg
 
オリジナルの照明があって
 
111102_006.jpg

昭和初期から沖電気製の電話を設備していた別荘を戦後も所有維持していたのです。

都市計画公園の指定についてその縛りがどれほどのことであるのかは私にはよく知るところではないのですが 土地を簡単に売ることができなくなったことは想像できます。
裏工作があったかどうかについても知るところではないのですが 1966年(昭和41年)に南口開発の構想が出て商業地区としての開発が進む中1972年(昭和47年)に岩崎家の土地の利用目的が商業地になっていることを地元の主婦が気づき 都市計画公園の指定が解除されたことが公になりました。
ここで 殿ヶ谷戸庭園を守る会 が結成され、市民運動が活発化し、
1974年(昭和49年)に東京都が36億5千万円で岩崎家の土地を買い上げ1979年(昭和54年)に有料公園として開園し 今に至っているのです。

この航空写真は公園としての整備が始まる前の昭和50年頃のものですが
 
111102_003.jpg

私にとってはとても懐かしい風景です。
写真の右に写っている国分寺マンションができて間もない頃で 国分寺マンションの前の坂を上って
 
111102_007.jpg

国分寺駅から中央線に乗って大学に通っていました。
ハートマークの第一勧銀の手前には椎名誠で有名になった国分寺書店がありました。
またこの頃にほんやら洞がオープンし、
 
111102_008.jpg

私はその斜め向かいのトミービルの一階にあった寺珈屋と地下にあったピーターキャットによく通っていました。

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お水番

なつかしいですねえ!
一番上の、殿ヶ谷戸庭園東側ハケ下の写真は、国分寺まつりの商工会ブ-スで見たことがあります。この道路が、旧国分寺街道だそうですね。
商工会ブ-スの説明書きでは、昭和初期と書いてありました。
展示写真を撮影して、私も自分のブログにアップしてあります。
昭和初期の殿ヶ谷戸庭園(旧岩崎別荘)東側ハケ下の写真
http://masugata.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300727608-1

旧岩崎邸が商業施設やマンションになっていたら、現在の国の名勝指定もありませんでしたよね。私の仲間にも、保全運動にかかわった方がいますが、残されて本当によかったと思います。
ただ、これから数年の間に、北口駅前再開発で超100メートルのビルが2棟建つとなると、湧水が大丈夫なのか、非常に気がかりです。

国分寺書店のオババ、なつかしいです。叱られながらお世話になりました。
ピーターキャットには、ホットサンドイッチを食べに行きました。
その斜め向かいあたりの、タブローという喫茶店に通いつめていました。

by お水番 (2011-11-02 08:40) 

sig

こんにちは。
kurakichiさんにとっては青春時代の思い出が残る、とても大切なところなんですね。そういう場所が少しでも残っているのはうらやましいです。
by sig (2011-11-02 12:59) 

風来鶏

沖電気製の“真空管(テレビ用?)”なら、電気店を営んでいた友人の親父さん(故人)から貰ったものが何本かありますよ^^;)
by 風来鶏 (2011-11-02 13:35) 

octopus baker

いやいや懐かしい写真です。
受験の為上京し、その日の宿(飯場?)からの迎えの車を、ハートのマークの第一勧銀の前のフラワーポッド脇で佇んで待っていたのが、東京生活の最初でした。
因みに、その「宿」があった場所は、10月11〜13日に書かれていた「姿見の池」が復活されるまえの沼地でした。
by octopus baker (2011-11-02 15:10) 

yoko-minato

商業化されずに東京都が買ったという
経過は良かったですね~。
どんどん緑が無くなりビルが建っていくのは
寂しいですよね。
by yoko-minato (2011-11-02 16:58) 

そらへい

国分寺は新しい街に思えるのですが
いろいろと歴史があるんですね。

私も一度だけピーターキャットに行っているのですが
さすがに通りの記憶はほとんどありません。
ピーターキャットが地下だったことさえ、記憶から脱落しています。
国分寺市南町2-11-14 トミービルB1
ですね。

by そらへい (2011-11-02 21:09) 

夏炉冬扇

こんばんは。
モノクロ写真が魅力的です。
by 夏炉冬扇 (2011-11-02 21:49) 

kurakichi

お水番 さん

ひょっとしたらどこかで何回かお目にかかっているのかもしれませんね。

by kurakichi (2011-11-04 01:52) 

kurakichi

sig さん

そうです。
この国分寺駅に向かう坂は思い出がたくさん残っている坂なのです。

by kurakichi (2011-11-04 01:56) 

kurakichi

風来鶏 さん

沖電気についてはあまり詳しくないのですが 歴史のある会社なのですね。

by kurakichi (2011-11-04 01:58) 

kurakichi

octopus baker さん

そして今国分寺に住んでいる。
ずいぶん長い時が流れましたね。

by kurakichi (2011-11-04 02:03) 

kurakichi

yoko-minato さん

自然を残すためには最終的には行政が出てきてくれないと難しいでしょうね。
行政を動かすために市民運動が重要なのです。

by kurakichi (2011-11-04 02:08) 

kurakichi

そらへい さん

私はず~っとトミーネビルだと思っていました。
昨日見に行って そらへいさんが書いているように トミービルであることを確認して 記事も直しました。
ありがとうございました。

by kurakichi (2011-11-04 02:19) 

kurakichi

夏炉冬扇 さん

昔の写真ピントも甘くて何が写っているのかよくわからないものも多いのですが味があってなかなかいいものですね。

by kurakichi (2011-11-04 02:21) 

opas10

あの「さらば国分寺書店のオババ」の本屋はこの辺りだったのですね!
by opas10 (2011-11-05 11:58) 

kurakichi

opas10 さん

作者の椎名誠氏も時々国分寺駅で見かけましたよ。

by kurakichi (2011-11-06 09:03) 

urara☆

今の殿ヶ谷庭園が市民運動で残されたんですか~!
都の庭園といっても、そのことも語り残して欲しい部分ですね!
by urara☆ (2011-11-10 13:51) 

kurakichi

urara☆ さん

昭和40年代から50年代は各地で市民運動が盛んでしたね。

by kurakichi (2011-11-11 01:29) 

Marquishiece

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by Marquishiece (2019-09-27 15:47) 

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