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カティンの森を観に行く  [映画・舞台・DVD]

先日 東京で雪が降った寒い日に 
 
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アンジェイ・ワイダ監督の カティンの森を観に行きました。

私は元々暗いところでじっと座っているのが苦手なため 映画を観に行くことはめったにありません。
が 昨年は渋谷Nシアターで 意志の勝利 を観て まあ その流れと言った感じで 今回岩波ホールに行ってみたのです。

この映画のベースとなるカティンの森事件についてはWikipediaを見ていただくのが早いと思います。
アンジェイ・ワイダ監督はこの事件を国に残された妻や母である女性を中心に描いてゆきます。
そしてラストでは10分以上にわたってカティンの森での処刑を写しています。
とてもとても重くて暗い映画でした。
ポーランドは侵略されたり分割されたりとかなりつらい歴史を持っています。
特に第二次世界大戦では西からヒットラーが東からはスターリンが攻めてきて両方の支配下に置かれ、戦後はスターリンの残したソヴィエト連邦の圧力を受け カティンの森事件が実際はスターリンの命令で起こされた事件であるにもかかわらず それを言えないままつらい時代を生きてきました。
その後ワレサ議長の登場で自由化への改革が進められ やがてソヴィエト連邦が崩壊し やっとこの映画をつることができる時代になったのです。

暗くて重く そして外国語の映画を見るのにはたくさんのパワーを必要とします。
そして 背景の文化や宗教をよく知らない者には この場面にはもっと深い意味が隠されているのではないだろうかと考えてしまい余計に疲れてしまいます。

最後の虐殺シーンで死んでゆく者全員に
 
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聖書の一節を言わせた意図は一体なんだったのだろうかと 今でも時々考えてしまいます。

さてさて 映画をほとんど見ない私にとって今回行った岩波ホールは初めての場所でした。
岩波ホールはビルの10階にある
 
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古くて小さな そして亀の甲羅のような形をした
 
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とても素敵なホールでした。

タグ:映画 戦争 神田
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コメント 10

SILENT

こんにちは
岩波ホールは今も健在なんですねー
この映画館で「おおいなる幻影」「木靴の木」「ある旅芸人の記録」「大地の歌」なんて作品を見ました。心の片隅に重く残っている映画達です。ポーランドのポスター達は凄くインパクトがあり今でも好きです。神よ我らの罪をお許し下さい とは監督の人間に対する叫びのようにも思えるのですが。我らとは 深いですね。
by SILENT (2010-01-19 08:55) 

kurakichi

SILENT さん

岩波ホールの骨のある生き方が好きになってしまいました。

by kurakichi (2010-01-19 09:15) 

yoikosan

これが岩波ホールなんですね・・・
地方に住んでいると、名前だけが頭の中に残ります
アンジェイ・ワイダ監督作品も、昔見ましたよ
by yoikosan (2010-01-19 09:17) 

kurakichi

yoikosan さん

私は初めて行ったのですがとても素敵なホールでした。
もちろん形だけでなく姿勢も含めてのことですが。

by kurakichi (2010-01-19 09:26) 

kazenotomo

今日、僕らも京都シネマで見る予定です。
by kazenotomo (2010-01-19 12:16) 

kurakichi

kazenotomo さん

いろいろ考えさせられる良い映画だと思います。
私が観に行ったときは私よりもずいぶん年上の方が多かったのですが 私よりも戦争に近かった彼らの目にはどの様に映ったのかも気になりました。

by kurakichi (2010-01-19 13:36) 

夏炉冬扇

今日は。
岩波ホール名前だけ聞いたことあり、です。
by 夏炉冬扇 (2010-01-19 17:10) 

kurakichi

夏炉冬扇 さん

私も先週までは同じでした。

by kurakichi (2010-01-19 17:14) 

ぼんぼちぼちぼち

えええっっっ!!!
kurakichiさんも この作品 観られたんでやすね!
尤も、「意志の勝利」を観た観客の多くは これも観むと思うんでやしょうが。

感想を記事に仕上げられていて尊敬しやす。
あっしは、「意志の勝利」のほうは、近く記事に出来るかな とも思いやすが
こちらは 歴史的背景がややこしくて無理でやす。

少し勉強してから また観たいものでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2010-01-19 20:47) 

kurakichi

ぼんぼちぼちぼち さん

映画のベースとなる部分は映画によって異なります。 
特にこの映画は歴史的事実をベースにおいているので その歴史的背景を知っているのと知らないのでは 理解の深さが違ってきてしまいます。
しかし ぼんぼちさんに また観たいと思わせた何かを持っている映画であったことは確かです。

by kurakichi (2010-01-20 03:26) 

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