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おいおい 数打ちゃあたる でいいんか  [進化]

080426土門拳写真展.jpg

IXY910SIが手元に来て4日になるが いい『大人のおもちゃ』になっている。
腰にぶら下げ どこへでも持って行き バシバシ シャッターを切っている。

中学2年のとき 父親にせがんで 
ニコマートFTNと ニッコール35mmと135mmを買ってもらった。
手当たり次第 いろいろ撮った。
しかし 小遣いにも限界があり フィルム代 現像代は馬鹿にならなかった。
当然モノクローム。 
KodakのTRYX の30ft長尺を さくら屋で買ってきて
同じく さくら屋で買った使い古しのパトローネに 暗室バッグを使い
自分で巻いて使っていた。
やがて 引き伸ばし機(Lucky90M)も父親にねだって手に入れ
フィルム現像から焼付けまでやるようになった。
家族が寝静まった真夜中 
赤色電球の下で 印画紙に黒く画像が浮かび上がってくることに熱中していた。
シャッターを切ってから 画像を目にするまで なんと時間がかかったことか。
今では シャッターを切ったすぐあとで すぐにモニターできる時代である。
画像が浮かび上がったあと 一枚の写真にするまで さらに
定着、水洗い、乾燥、 なんと もどかしくも楽しい時間だっただろうか。
期待と不安 希望と失望。 
一枚の写真を手にするまでには 
今では考えられない 興奮と充実の時間があった。

2月に吉祥寺美術館で『土門拳写真展』を観てきた。
『筑豊のこどもたち』の るみえちゃんを撮影したべた焼きが展示されていた。
同じ構図はほとんどない。 
一つ一つのシャッターチャンスに気迫で向かっている。
今は ひとつのシャッターチャンスに カメラが勝手に何枚もシャッターを切ってくれたり、
はたまた 数ステップのEV補正までも自動で行わさせることができる。
土門は脳内出血で倒れてからも 写真を撮り続けた。
仏像を前にし、弟子がすべてセッティングし(もちろん土門の指示による) 
彼は最後のピントを暗幕の中で確かめてから レリーズを握り締め
ひたすら 来るか来ないかも分からない シャッターチャンスを待っていた。 
彼には 仏像が走るのが見えたのだという。
そのときシャッターを切った。

私も 写真はそのような態度と作法で 本当は撮りたいのだが
自信がないことへの不安や、今の機械の手軽さから 
数多く撮ったものの中から 使えそうな写真を選んでいる始末である。
はたして それでいいのだろうか。
確かに 時代は変り機械も進化し 写真が身近になっていることはうれしいのだが。


タグ:土門 現像 IXY
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kurakichi

ゆきたこさん
nice! ありがとうございました。
by kurakichi (2008-05-15 23:04) 

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