４０年前の夏　：雲が流れる如く：SSブログ

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４０年前の夏　　[あの頃] [編集]

４０年前の夏は高校受験を前にし　毎日弁当を持って府中の大國魂神社にある図書館に通った。

なぜ　府中の図書館なのか?
そもそも自宅に冷房装置がある家はかなりの大金持ちと決まっていた時代である。　
あの当時　私の身近では　冷房が効いて静かな場所は　府中図書館しかなかった。
我が地元　小金井市の図書館といったら　第一小学校の木造別棟の２階の一部屋。　机はがたがたで　もちろん冷房装置などはなかった。　それに引き換え　財政豊かな府中市は鉄筋コンクリート３階建ての立派な図書館を持っていた。　

朝８時には　勉強道具、弁当を持って家をでる。　自宅から図書館までは自転車で２０分位かかる。　図書館脇の欅の木陰にはすでに数人が列を作っている。　私も列に並び文庫本を読みながら開館するまで待つのである。　このとき持参した技術家庭で作った折りたたみ椅子に座った。　中学の授業で一番役に立ったものと言えばこの椅子を作ったことぐらいだろうか。

図書館での勉強は　過去に出題された試験問題を解くことばかりやっていたと記憶している。　
冷房にあたりすぎては体に良くないと言う母の言いつけを守り　昼は大國魂神社の木陰で弁当を食べ、午後５時まで図書館にいた。
４０年前の夏の記憶は　なぜか　まじめに勉強していたことしかない。
そんなことを思い出しながら　先日　大國魂神社に行ってみた。
あの図書館は　まだその当時のままの姿でたっていた。