九段会館としょうけい館

先日　神田古本まつりに行ったときは地下鉄東西線を使い九段下で降りました。
昔は武道館で行われるコンサートに行くときに九段下をよく利用しましたが　昼にこの駅で降りるのは初めてです。
地上に出るとすぐに
　


九段会館がありました。
東日本大震災のときに大ホールの天井が落ち　二名の方が亡くなっています。
耐震工事をやっていなかったことが問題となって　現在この施設は使われていません。

この日は　
　これが事故があった九段会館かあ　和洋折衷の不思議な建物だなあ　
と思い、とりあえず写真を撮っておきました。
帰ってから少し調べてみると　これがとんでもない建物であることがわかってきました。
設計は同潤会アパートの設計もした川本良一氏で昭和９年（１９３４年）の竣工です。
帝冠様式と呼ばれるスタイルで昭和初期のナショナリズムの台頭が背景になっている様式です。
無言の箱というHPにはこの建物詳細を写した写真とこの建物の成り立ちについても書かれていて　この建物は戦前は軍人会館という名のまさに日本軍の施設だったのです。
至るところに権威主義的な意匠が施されていて確かにグロテスクで胡散臭さが漂う建物です。

両国にある伊東忠太氏設計の東京都慰霊堂や復興記念館も和洋折衷で一見帝冠様式にも見えますが　あまり威圧感は感じられなく　どこかが違っています。
実際wikipediaの伊東忠太氏の記述にも 帝冠 の言葉は見当たりません。
ちょうど東京人の１２月号が
　


忠太氏の特集になっていて忠太氏の和洋折衷の様式がどこに根ざしているのか勉強してみようと思っています。

この九段会館から神保町に一つ寄った小路に
　


しょうけい館という施設がありました。
ある意味この施設は九段会館とは対極にある施設で　先の戦争の戦傷病者の史料館なのです。
この日は古本まつりがメインであったので入り口だけで失礼してしまいましたが　機会を改めて訪れてみようと思っています。

さてこのしょうけい館がある小路には現役の
　

　


看板建築のお店と
　


かなり古い二階建ての日本家屋があって　なかなか興味深い小路でした。

タグ：千代田区 九段 看板建築 太平洋戦争 和洋折衷

コメント 7

しょうけい館のHPを観てみやした。
短歌のコーナーやジオラマなどもあり、時間をかけて見学したい　と思いやした(◎o◎)b
by ぼんぼちぼちぼち (2012-11-06 11:32) 

九段会館、その昔、
笠井紀美子を聞きに行ったような気がします。
by そらへい (2012-11-07 21:13) 

ぼんぼちぼちぼち　さん

小さいけれどかなり充実した施設のようですね。
私には九段付近は今まで近づきがたい雰囲気があったのですが　ある意味気を引き締めてもう一度いってみようと思っています。

by kurakichi (2012-11-07 22:11) 

そらへい　さん

笠井紀美子さんを聴きに行かれましたか。
雰囲気があるホールでなかなか聴き応えがあったのでは?

by kurakichi (2012-11-07 22:14) 

忠太センセイの特集知りませんでした！明日早速買いに行きます。川本良一氏自身は、軍国主義や権威主義とは縁遠い人だったようで、それ故に九段会館では、求められた条件に無理して応えようとした窮屈さや必要以上に誇張された表現を感じます。
by opas10 (2012-11-09 22:12) 

opas10　さん

実際のディテールを見ていないのでなんとも言えませんが　何でも詰め込んだという感じがしますね。
軍部には逆らえないという雰囲気が感じられます。

by kurakichi (2012-11-10 11:33) 

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